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キュー選びのABC
キュー選びのマル秘情報!
<ビリヤードキュー選びのマル秘情報!>

はじめに。
 「キュー」とは、ビリヤードの球(たま)を撞く棒状の道具のことである。一般にキューの多くは二つに分割でき、一方を「シャフト」、他方を「バット」と呼んでいる。その他のキューの各部の名称については、おいおい、覚えていけばいいであろう。

 ビリヤードがメジャースポーツとして認知されつつある昨今、マイキュー(自分用のキュー)所有者の数は以前には比べものにならないほど増えている。その一因として、特に、マスプロダクションキュー(量産キュー)メーカーの生産性の向上により、マスプロダクションキュー(量産キュー)については、数年前と同じようなラインのキューやモデルのキューが、より手頃な価格で購入できるようになったことも影響し、「その都度、状態が異なるハウスキューで撞いているよりも、常に自分の手元で状態を管理できるマイキューを自分の予算の範囲内で購入した方がビリヤードの上達に繋(つ)がる」と考える人が増えたことがあげられよう。

 さて、実際に、キューを購入しようとする際に、どんな点を基準に「キュー選び」をすればいいのかということについては、実は、多くの人が悩んでしまうであろう。そこで、以下の論述が、一本目のマイキューを購入しようとする人から、カスタム量産キュー、更に、リアルカスタムキューを購入しようとする人まで、「キュー選び」をされる全ての人の一助となれば幸いである。

 自然科学の分野と異なり、この論述もそうであるが、自然科学以外の分野では、「絶対」ということは、「絶対」にあり得ない、という意味での「絶対性」のみが承認される。即ち、価値相対主義が承認される以上、あくまでも、この論述が「一助」となれば幸いである。

キューの分類と価値について。
 一口にキューといっても様々で、「マスプロダクションキュー(量産キュー)」、「カスタム量産キュー」、「リアルカスタムキュー(真のカスタムキュー)」などに分類される。「マスプロダクションキュー」とは、まさに、同じモデルのキューをかなりの本数大量生産しているメーカーが製作したキューを意味し、「カスタム量産キュー」とは「カスタムキューメーカー」の看板を掲げながらも、コンピュータ制御のCNC切削機械を導入するなど、量産メーカーと同じような製作手法で同じモデルのキューを何本も量産しているメーカーが製作したキューを意味する。そして、「リアルカスタムキュー」とはハンドメイドにこだわり、素材を厳選し、プレイ性能もそのインレイワークの芸術的価値も高い最高級ランクに属するキューを丹念にこつこつ少量生産している(製作するほとんどが一本物のキュー)職人気質の真のカスタムキューメーカーが製作したキューを意味する。当然のことながら、これらのメーカーが製作するキューはそれぞれキューの価値も異なってくる。

キューの生産国について。
 キューを生産している場所は世界各国にある。周知の通り、キューの製作の本場はアメリカといわれている。これは、古代エジプトに起源があるとされるビリヤードの原型の遊戯がヨーロッパ貴族の社交の娯楽として発展し、その後、アメリカに伝播し、アメリカで現在のようなスポーツとして確立された歴史に関連している。それまで、「ボールを撞くただの棒」でしかなかった「キュー」に創意工夫を加え、より実用的でより芸術的なキューに進化させたのは、アメリカのキュー職人達であった。

キュー職人界の第一次「三大巨匠」について。
 ここで、故George Balabushka、故Gus Szamboti、そして、Bert Schragerがキュー職人界の第一次「三大巨匠」といわれる所以(ゆえん)を考えてみよう。というのは、この点から「キューの価値」の一旦が垣間見られるからである。

キューの非量産性と一本物性、即ち、希少性の第一の因子について。

 この三大巨匠に共通している点は何であろうか。それは以下の点である。まずは、(1)ハンドメイドでキューを製作する点があげられる(非量産性と一本物性、即ち、希少性の第一の因子)。最近では、前述のように、「カスタムキューメーカー」の看板を掲げながらも、コンピュータ制御のCNC切削機械を導入するなど、量産メーカーと同じような製作手法で同じモデルのキューを何本も量産しているメーカーが大多数を締めている。このCNC切削機械を用いた手法でキューを製作すると、そのキューの価格が高価か安価かに関係なく、全く同じデザインのキューが何本も製作されてしまう(量産性)。これは、このCNC切削機械を用いた手法でキューを製作すると、コンピュータ制御の切削機械と連動しているため、容易に全く同じ型の薄さ数ミリの平型のインレイパーツをある一定量生産することができる仕組みになっていることに由来する。そのため、このCNC切削機械を用いた手法でキューを製作した場合、CNC切削機械の性格上、一本物(One of a kind)のキューの製作は難しく、例え、一本物と称していたとしても、実は、デザインは全く同じで素材だけが異なるキューが他にも存在する場合がほとんどいう状況になってしまう(非一本物性)。

 これに対して、ハンドメイドでキューを製作する手法では、厚い船底型のインレイパーツを手で切り、厚い船底型にハギを手で組むなどという工程を踏むため、そのインレイのデザインやハギのデザインを一つ一つ異なるデザインで仕上げることも可能となる。CNC切削機械を用いた手法でキューを製作すると、コンピュータ制御の切削機械と連動しているため、容易に全く同じ型の薄さ数ミリの平型のインレイパーツをある一定量生産することができる仕組みになっているが、ハンドメイドでインレイパーツを切る場合は、非常に手間隙はかかるものの、自在にインレイのデザインを変えることも可能である。そして、まさに、この点がリアルカスタムキュー職人の腕の見せどころの一つにもなる。ここまで述べれば、既に、お気づきのことと思うが、ハンドメイドでキューを製作する手法では、真の意味での一本物のキューの製作が可能となる。現に、現存の数少ないハンドメイドでキューを製作するリアルカスタムキュー職人の中には、その製作するキューのほとんど全てが「一本物」というメーカーもあり(例えば、Bill Schick、Brady Andresen、Edwin Reyes、David Kikelなど)、そこには頑固な職人気質(クラフトマンシップ)が現れている(一本物性)。そして、当然のこととして、ハンドメイドでキューを製作する手法では、そうそう量産などはできない(非量産性)。

キューのオリジナリティー性と創造性、芸術性、即ち、希少性の第二の因子について。
 次に、この三大巨匠に共通している点として、(2)その製作するキューのデザインの独自性の点があげられる(オリジナリティー性と創造性、芸術性、即ち、希少性の第二の因子)。ある程度の数のキューを見てきた人なら、そのキューの外観を見ただけで、大体、どのキューメーカーが製作したキューか察しがつくことだろう。特に、この三大巨匠の作品は、その製作するキューのデザインが独特でオリジナリティーがあり、決して、他のメーカーのデザインを真似たデザインではなく、むしろ、他のメーカーに影響を与えたデザインであり、それぞれのオリジナリティーに溢れている(オリジナリティー性)。

 ここで、脇道に逸れるが、既に、キュー職人界の重鎮となっているRichard Blackが製作するキューに「Bushka」(ブシュカ)というモデルがある。ご存知の通り、この「Bushka」モデルは、故George Balabushkaの製作したキューをモチーフにしている。Richard Blackはそこに独自の味(オリジナリティー)を加え、今や、Richard Blackのキューを代表的するモデルの一つになっている。確かに、厳密にいえば、この「Bushka」モデルは、故George Balabushkaの製作したキューの模倣ということになろう。しかし、「Bushka」モデルは、既に、その模倣の範囲を超え、Richard Blackの「Bushka」という確固たる地位を築いている。ここまでくれば、やはり、オリジナリティーに溢れているといわざるを得まい。そして、Richard Blackがこのモデルを「Bushka」モデルと称し、決して、「Balabushka」モデルと称さないところに、Richard Black自身の自負と、故George Balabushkaに対する敬愛の念の双方が現れている。これは、「天才キュー職人」と賞賛されるDavid Kikelの作るクラシックデザインモデルのキューにも共通している点であろう。

 さて、本筋に戻ることにしよう。前述のオリジナリティー性を追求する過程で、必然的に個々のキュー職人の創造性が問われる。これは、何もキュー職人の世界に限ったことではない。広くいえば、芸術の分野では当然のことであろう。個々のキュー職人が他にはない独自のデザインを追求しようとすれば、そこに個々のキュー職人のデザインの創造性が問われる。そして、そのデザインの創造性なくしてオリジナリティー性はあり得ない。この三大巨匠の製作するキューには、独特の風格と品格があることは周知のことである(創造性)。

 また、この創造性が芸術性(芸術的価値)にも繋がることは、敢えて、説明の必要もないであろう。現在、あるクラス以上のキューがアメリカを中心として「芸術品」として認知されていることは周知のことである。キューは現代に生きるキュー職人というクラフトマンの美術工芸品として、キューアートという分野に分類されている。但し、老婆心ながら述べておくが、ここで勘違いしてならないのは、高価なダイヤモンドなどを散りばめたようなキューが、イコール「芸術品」に値するのではなく、また、博物館や美術館に収められたキューが、イコール「芸術品」に値するのでもない。繰り返しになるが、その芸術性の高さは、その創造性の高さ、即ち、そのオリジナリティー性の高さに由来するものである。

キューの一貫生産性、即ち、希少性の第三の因子について。
 次に、この三大巨匠に共通している点として、(3)その製作するキューの主要部分などほとんどの部分を自らの工房で生産し、キューを仕上げ、一貫生産する点があげられる(キューの一貫生産性、即ち、希少性の第三の因子)。実は、インレイパーツやリングのみを製作している専門のキューパーツメーカーも存在する。そのような、専門のキューパーツメーカーからキューのインレイパーツやリングなどを仕入れ、自らの工房ではそれらを組み立てているというキューメーカーも存在する。しかし、このようなキュー製作手法では、そのキューメーカーのオリジナリティー性、創造性、芸術性は、残念ながら出でてこない。一方、現存の数少ないハンドメイドでキューを製作するリアルカスタムキュー職人の中には、その製作するキュー一本一本について、その各々のキューにマッチする異なるデザインのリングを、自ら、ハンドメイドで製作し、リングワーク一つにもオリジナリティー性を貫徹しているメーカーもある(例えば、Brady Andresenなど)。つまり、オリジナリティー性、創造性、芸術性は、製作するキューの主要部分などほとんどの部分を自らの工房で生産し、キューを仕上げ、一貫生産することと密接に関連しているのである(一貫生産性)。例えば、Bert Schragerの製作したキューなどは、奇妙に思うかもしれないが、一本一本ジョイントネジの長さからして異っている。逆に、その点が、まさに、自らの工房で一貫生産している証(あかし)ともいえよう。Bert Schragerに関してはだが。

 ここで、この例外を一つ明示しなければならい。故George Balabushkaはブランクと呼ばれるプロング部分は自作せずに、他の職人から購入して使っていたことは以外と知られていない事実である(このため、専門家が故George Balabushkaのキューを鑑定する際には、まず、プロングの部分を見て、Titlist(Brunswick)なのか、Burton Spainなのか、あるいは、Gus Szambotiなのかを判断して、その作られた年代を推測する手法をとっている)。このような事情があるにも係わらず、故George Balabushkaがキュー職人界の第一次「三大巨匠」といわれる所以(ゆえん)は、故George Balabushkaが、キューの構造、キューのデザインなどの面において、近代キューの基礎を築いた人物だからである。今となっては、故George Balabushkaの功績を否定する業界関係者は存在しないであろう。

キューの個性と非均一性、非均等性、即ち、希少性の第四の因子について。
 最後に、この三大巨匠に共通している点として、(4)その製作するキューには一本一本それぞれ異なる独特の「味=個性」がある点があげられる(キューの個性、即ち、希少性の第四の因子)。コンピュータ制御のCNC切削機械を用いた手法で製作されたキューはどれも、その製作手法が故(ゆえ)に仕上がりは均一、かつ、均等で、いわば、「工業製品」と呼ぶにふさわしい、その点では、確かに素晴らしい存在であろう。一方、この三大巨匠が製作したキューのように、ハンドメイドで製作されたキューには、その一本一本にそれぞれ異なる独特の「味=個性」がある(個性)。実は、この個性も前述のオリジナリティー性、創造性、芸術性などに由来するものであることは容易に想像がつくであろう。これらのキューから受ける印象は、仕上がりの均一性や均等性とは全く別次元にある、ある種の圧倒される個性である。ハンドメイドが故の非均一性と非均等性こそが、これらのキューの個性であり、味である。このような個性、非均一性、非均等性を有するキューは、まさに、「美術品」、あるいは、「工芸品」と呼ぶにふさわしい存在であろう。

第一次「三大巨匠」に続くキュー職人について。
 前述のように、最近では、「カスタムキューメーカー」の看板を掲げながらも、コンピュータ制御のCNC切削機械を導入するなど、量産メーカーと同じような製作手法で同じモデルのキューを何本も量産しているメーカーが大多数を締めている。また、専門のキューパーツメーカーからキューのインレイパーツやリングなどを仕入れ、自らの工房ではそれらを組み立てているというキューメーカーも存在する。このような現状において、今後、第一次「三大巨匠」に続くキュー職人には、第一次「三大巨匠」と共通する諸要素を満たすことが求められてくるであろう。残念なことに、第一次「三大巨匠」のようなキュー職人の数は少なくなってしまっている。しかし、このような諸要素を満たすリアルカスタムキュー職人が、現在でも存在し続けているのも事実である。このようなキュー職人が、今後、真の職人気質(クラフトマンシップ)の技術と良心を後世に伝える大きな役割の一端を担うことであろう。

キューの選び方について。
 以上のことを踏まえた上でキューの選び方について考えてみる。

キューの価格について。
 キューの価格は幅広い。安いものは数千円から上は限りがない。だから、まずは一本、その中から個々人がその予算の範囲内でキューを選択し、所有すればいいと思われる。個々人によってキューに求めるものは千差万別である。やはり、ある人は、「誰も所有していない世界で一本しかない一本物のキューがほしい」と思うかもしれない。ただ、「世界で一本しかない一本物」となると、やはり、それ相応の予算が必要となる。しかし、朗報もある。シンプルなデザインながらも「一本物」を製作してほしいという人の要望に応じることが可能なキュー職人が、リアルカスタムキュー職人の中には何人か存在している(Edwin Reyesなど)。ハンドメイドでインレイパーツを切る場合は、非常に手間隙はかかるものの、自在にインレイのデザインを変えることが可能となるからである。このようなリアルカスタムキュー職人に特注依頼して、シンプルなデザインながらも「一本物」を手にした人が幸運にも存在するのである。

キューのインレイ(彫り込み加工細工)について。
 さて、ここでキューの価格と価値を決める大きな要素であるインレイについて言及しよう。

 インレイの素材についても相当の価格の差がある。各種銘木、アバロニ、マザーオブパール、金、銀、鉱石類、宝石類などの高価な素材から安価なプラスチックなどの樹脂系素材まで幅広い。但し、インレイの素材の価格の差については、一般の方々でもある程度はどんな素材が高価であるかは直ぐに見当がつくであろう。

 次に、インレイの形状とその製作の難易度について。以下に述べる内容は、数多くのキューメーカーの工房を実際に訪ね、その使用している機械や作業工程を見比べた者でないとなかなか気づかない知識である。

 まず、リング(輪)状の模様は、別ピースのリング加工をしたものをはめ込む形をとるだけなので、比較的容易に製作できる。また、ある連続した面の模様をインレイすることは、パンタグラフマシーンやコンピュータ制御のCNC切削機械を用いれば、比較的容易に製作できる。そのためか、最近では、コンピュータ制御のCNC切削機械を使用するメーカーが大半を占めている。しかし、別ピースによるリング加工以外のバットの素地に直に掘り込んだ、「曲線模様」や「不連続線」、または、「不連続線からなる曲線模様」、即ち、「☆∫§_∪〓〜∀」のような配列の模様は、これらの機械加工でも難しく、時間をかけて手加工(ハンドメイド)する場合が多いので、当然、そのような手加工のインレイ模様を施したキューは高くなる。反対に、「リング模様」や■●などの模様は比較的容易に製作できる。つまり、安価に製作できる。即ち、インレイの難易度からいうと、下記の順序で難易度が増し、作業工程も手加工に頼らざるを得ないことから高価となる。以上はキュー製作についての専門的な知識でキューディーラー(業者)ですら知らない内容であろうが、キューの価格や価値を判断する際の重要な要素となるので、覚えておいて損はない。

リング模様→四角面模様→曲線面模様→直線模様→不連続直線模様→不連続曲線模様→曲面模様→不連続曲面模様などの難易度の高い組み合せ模様

 更に重要な点は、近代カスタムキューの基本構造は、バットはグリップ部分で別ピースの木材をジョイントし、プロング部分はノコギリなどで鋭角に切断した2つの木材をジョイントするか、あるいは、水平フライス切削機械で船底型に深く彫り込んだ溝に別ピースの木材などをはめ込み接着するもので、これは大変な手間のかかる精緻な手加工の工程と経験を重ねたクラフトマンシップが要求される。これらの加工は何れも「経年変化によるキューの曲がりを防止するため」のもので、近代カスタムキューの重要な基本ともいうべきものである。

 パンタグラフマシーンは手動機械で、CNCはコンピュータ制御による自動操縦の切削加工機械だが、何れも1〜3mm程度の深さで、かつ、垂直にしか彫れない。そのため、キューの製作工程では、もっぱら装飾的なインレイを施すために使用され、上記の手加工のように深く彫り込むことはできず、「経年変化によるキューの曲がりを防止のため」という意味合いは薄い。

 最近の残念な傾向として、「経年変化によるキューの曲がりを防止のため」という近代カスタムキューの基本を忘れ、あるいは、無視して、パンタグラフマシーンやコンピュータ制御のCNC切削機械を用いて2mm程度の均一した深さの溝を彫り、そこにインレイを施した、飾りの目的だけのプロング模様や派手なインレイを入れたキューが高価な価格で数多く市場に出回っている。これらのキューは表面を見ただけでは一般の方々にはほとんど判別できない。また、多くのキューディーラー(業者)でさえこの事実を知らずにキューを取り扱っているのが実情である。

 ところで、手加工では世界的に突出した技術を有する日本の伝統工芸の職人達であるが、過去に日本の伝統工芸の職人達、即ち、箱根の寄木、各地の伝統工芸の箪笥(たんす)、京都や金沢の象眼細工、四国地方や中国地方の三味線、和琴などの職人達を訪ね、キューのインレイを日本が世界に誇る手加工の職人技でできないものかと調査したことがある。日本の伝統工芸の職人技は非常にすばらしく、到底、海外では不可能に近い繊細で精緻な細工も可能だが、残念なことに、日本の伝統工芸の職人達が使っている道具と工程の違いから、平面にはすばらしい伝統工芸による象眼や彫刻などの細工ができるが、キューのような棒状の曲面に、しかも毛髪一本の隙間が音鳴りを起す原因になるほどの精度を要求されるキューのインレイについては、技術的にもコスト的にも日本では不可能という結論だった。

 さて、船底型のインレイが他のものに比べてどのように難しいかという点について述べよう。まず、近代カスタムキューのインレイは故George Balabushkaなどに代表されるようにフォアアームやバットスリーブ(バットエンド)の部分の深く彫り込んだ溝に、別ピースの材料をはめ込み接着するものだ(船底型のインレイ)。これは、「経年の変化によるキューの曲がり防止のため」のもので、近代カスタムキューの重要な基本である。この船底型のインレイを施すためには、フォアアームやバットスリーブ(バットエンド)の部分の深く彫り込んだ溝に、別ピースの材料をはめ込み接着するため、その接着面が広くとれる。ところが、この接着面のごく一部に、ほんの少しの隙間が生じただけで音鳴りの原因になるなどの不都合が生じる。そのため、この船底型のインレイを施すには大変な手間のかかる精緻な手加工の工程と経験を重ねたクラフトマンシップが要求される。一方、インレイの装飾的側面のみを追求するのならば、手動機械であるパンタグラフマシーンやコンピュータ制御のCNC切削機械などの切削加工機械によってインレイを施すことは十分に可能である。しかし、これらの機械による工程では何れも2mm程度の深さに垂直にしか彫れず(平底型のインレイ)、「経年の変化によるキューの曲がり防止」という意味では、船底型のインレイには劣ってしまう。やはり、船底型のインレイの方が難易度も高く、製作の手間暇もかかり、そうであるが故に、キューの品質保持という面でも、職人技という面でも高く評価される所以(ゆえん)である。

キューのプレイアビリィー(プレイ性能)とフィットネス(感触)について。
 キューのプレイアビリィー(プレイ性能)とフィットネス(感触)をも考慮してキュー選びをしている方も多いことだろう。ところが、このプレイアビリィーやフィットネスというものは、一見、客観的に説明できるように思えて、実は、プレイヤー各々の主観的判断に大きく左右される問題である。例えば、Bert SchragerやBrady Andresenなどに代表される硬めのスティフなキューを好む人には、Richard Blackなどに代表される柔らかめのソフトなキューは扱い難く、プレイアビリィーやフィットネスの面でもしっくりこないであろう。また、その逆もまた真なりで、Richard Blackなどに代表される柔らかめのソフトなキューを好む人には、Bert SchragerやBrady Andresenなどに代表される硬めのスティフなキューは扱い難く、プレイアビリィーやフィットネスの面でもしっくりこないであろう。つまり、プレイアビリィーやフィットネスについての感じ方は人それぞれ十人十色であり、これは「好み」の問題なのである。だから、可能ならば、個々人が販売店に足を運び、実際に、キューの現物を目にして感じてみるのがキュー選びには最良の方法だと思われる。

キューの重さ、バランス、打感(打球感)、テーパーについて。
 キューの重さやバランス、打感(打球感)、テーパーについては、結論からいえば、最終的には、個々人の好みの問題であろう。
まず、キューの重さについては、現在では、19oz〜19.5ozが標準的な重さといわれている。しかし、ご存知のように、かつては、20oz前後からそれ以上の重さのキューも多かった。また、最近では、18oz代のキューを好んで製作しているカスタムキューメーカーも増えている。こうしてみると、キューの重さは、時代とともに軽めに移行しているようにも思われる。ただ、キューの重さについては、個々人のプレイスタイルとも関係してくることなので、個々人が好みの重さのキューを使用すれば、それでいいであろう。重いキューの方がよりポケット率が高いとか、軽いキューの方がよりポケット率が高いとか、そういうことが絶対的にあるのであれば別だが、キューは、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、その重さの選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。

 このことは、キューのバランスについても当てはまる。キューメーカーによっては、極端に後ろバランスのメーカー、極端に前バランスのメーカーも存在する。キューのバランスについては、個々人のプレイスタイルとも関係してくることなので、個々人が好みのバランスのキューを使用すれば、それでいいであろう。キューは、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、そのバランスの選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。

 ここで、キューの重さとバランスの相関関係について述べておこう。意外なことかもしれないが、ブリッジせずに利き手だけでキューのバット(グリップ)を握った際には、同じ重さのキューでも前バランスのキューの方が後バランスのキューよりも「重く感じる」ものである。というのは、このような状態では前バランスのキューの方がより前に重心がかかるため、後バランスのキューよりも利き手により負荷がかかると感じられ、重く感じるのである。キューを選ぶ際にはこのキューの重さとバランスの相関関係(同じ重さのキューでも、そのバランスポイントの違いによって、重く感じたり、軽く感じたりすることがあるということ)も頭に入れておくと何かと役に立つ。

 さて、キューの打感についても、全く、同じである。打感については、各メーカーがそれぞれのコンセプトに従い、そのメーカーが、最も、いいと思う打感のキューを製作している。そのため、メーカーによって、柔らかい打感のキューを製作しているところもあれば、硬い打感のキューを製作しているところもある。これらは、どちらが絶対的に性能がいいというわけではない。だから、ここでも、個々人のプレイスタイルとも関係してくることなので、個々人が好みの打感のキューを使用すれば、それでいいであろう。キューは、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、その打感の選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。

 そして、キュー(特に、シャフト)のテーパーについても、全く、同じことがいえる。シャフトのテーパーについても、やはり、各メーカーがそれぞれのコンセプトに従い、そのメーカーが、最も、いいと思うテーパーのシャフトを製作している。テーパーについても、どのテーパーが絶対的に性能がいいというわけではない。だから、ここでも、個々人のプレイスタイルとも関係してくることなので、個々人が好みのテーパーのキューを使用すれば、それでいいであろう。キューは、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、そのテーパーの選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。

 ところで、テーパーとは、主に、シャフトの形状を意味するが、テーパーについては、「Aテーパー」、「プロテーパー」、「フィリピンプロテーパー」など様々な「種類分け」が試(こころ)みられているようである。但し、この種類分けは絶対的なものではなく、大枠を示している概念として把握しておけばいい。というのは、例えば、「フィリピンプロテーパー」といっても、厳密にいうと、それぞれのフィリピンプロが、それぞれの好みのテーパーのシャフトを使用しているわけで、それを厳格に規定し、絶対的な意味での種類分けをして、「こういうテーパー以外はフィリピンプロテーパーではない」と断言することはナンセンスなのである。例えば、Efren Reyesは、先角の先端の径が何mm、先角の根元の径が何mm、先角の根元からジョイント部分に向かって何インチの長さまでの径が何mm、それ以降は徐々に太くなる(この徐々に太くなるというのも使用する人それぞれに好みがあるようである)といった具合のテーパーを好むが、同じ有名フィリピンプロでも、Jose Paricaの好むシャフトのテーパーは、Efren Reyesの好むシャフトのテーパーよりも太く、また、Romeo Villanuebaの好むシャフトのテーパーは、Efren Reyesの好むシャフトのテーパーよりも細いという具合に(その他の有名フィリピンプロ達もそれぞれに好みのテーパーというものがあり、それらはそれぞれに異なるテーパーである)、「フィリピンプロテーパー」といってもその概念には幅があるのである。だから、「Aテーパー」、「プロテーパー」、「フィリピンプロテーパー」など様々な「種類分け」の概念は、テーパーについての知識を整理する上での大枠の整理用の概念としては役立つが、決して、そこに何か絶対的な意味があるわけではない。これらの「種類分け」は、個々人が「自分はどんなテーパーが好みなのか」を探るための知識として役立てればいい。所詮(しょせん)、「Aテーパー」、「プロテーパー」、「フィリピンプロテーパー」など様々な「種類分け」を試みたとしても、学問の世界とは異なり、それらを統一して説明する世界標準の公式的見解や通説というものが存在するわけではないというのが実情だし、将来的にもそのような世界標準の公式的見解や通説というものは確立されそうもない。というのは、そもそも、前述のように、それらを厳格に規定し、絶対的な意味での種類分けをしようとすること自体がナンセンスだからである。これ以上、述べるとトートロジーに陥(おちい)ってしまうので、この辺で終わりにしよう。

 最後に、こういってしまうと、キューの重さ、バランス、打感、テーパーについて述べてきたことが無意味になってしまうかもしれないが、誤解をおそれずにいえば、実は、キューの重さ、バランス、打感、テーパーについては、そのキューを一定期間使用していれば、徐々に、そのキューの重さ、バランス、打感、テーパーが身体に馴染(なじ)んでくるものなのである。そのためか、キュー選びにおいて、多くの人が最も重視する点は、やはり、好みのデザインかどうかという点なのである。というのは、例えば、非常に腕のいいプレイヤーから「君のプレイスタイルなら、この程度の重さ、こんなバランス、こんな打感、こんなテーパーのキューがいいと思うよ」と勧められたとしても、多くの人が、「どうせ買うなら好みのデザインのキューを買いたい」と思うのは、至極、当然のことであり、気に入らないデザインのキューは、例え、購入したとしても、残念なことに、そう長くは使用しないということになってしまうからである。

キュー選びの決め手について。
 キュー選びの決め手は何か。答えは簡単である。キュー選びの決め手などはない。キューは、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、その選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。周囲の人は、親切心から色々とアドバイスをしてくれるかもしれない。それは、確かに、ありがたいことである。しかし、自分は他人とは違うが故(ゆえ)に自分である。アドバイスは、あくまで、アドバイスであり、参考にすることはあっても、それがそのまま自己決定に繋がってしまっては、何のための「趣味」なのか分からない。また、ビリヤードについても他の分野と同じく、一般的に「正しい」といわれていることが、実は、よく考えてみると「誤り」ということもある。この点で、個々人が真贋を見抜く目を養うことが必要となる。そのためにも、まずは、数多くのキューの現物を直に見ることが必要となる。

 さて、個々人によってキューに求めるものは千差万別である。ビギナーのプレイヤーが高価なキューを購入してもいい。逆に、腕のいいプレイヤーが安価なキューを購入していてもいい。これは、高級車に乗っている人がみな腕のいいレーサーであるわけではないことを考えれば当然のことである。また、仕事などが忙しくビリヤードをプレイする時間もなかなか確保できないが、それでもキューが好きでこつこつ高価なキューを収集している人がいてもいい(実際にアメリカでも日本でもこのような人が存在する)。「趣味」である以上、他人に何といわれようと、「自由」にやっていいのである。まさに、そこに「趣味」としての楽しみが存在するのだから。

 ただ、以下の諸点については注意が必要であろう。特に、高価なキューを購入する際には。

 まず、キューの品質管理がしっかりしている販売店で購入することである。商品であるキューを乱暴に扱うことで傷をつけてしまったりするようなところでは買う気もしないであろう。

 次に、その販売店から直に購入したキューについては、必要に応じてアフターケアーやオリジナルメーカーへ様々なの依頼をしてくれる販売店から購入することである。これらのことは当然のことだと思うが、意外に、徹底してやってくれる販売店は少ないのが実情である。というのは、これらのことは、手間隙ばかりかかり、販売店としては「労多くして益少なし」というのが実情だからである。例えば、カスタムキューメーカーからスペアシャフト一本のみを取り寄せるにしても、FAXやE-Mailのみでは一方通行になってしまうおそれがあり、メーカーに依頼が伝わらないこともある。そこで、これらの連絡手段に加えて、あちらのビジネスタイムに合わせて日本の深夜時間帯に国際電話で依頼する必要がある。または、海外に飛んで直にメーカーと会い依頼することが必要となる場合もある。このような労力をいとわずに、アフターケアーやオリジナルメーカーへ様々な依頼をしてくれる販売店から購入しないと後で何かあった際に困ったことになる。

 また、その販売店から直に購入したキューについては、アフターケアーの一環として、顧客の依頼に応じて定期的に無料でキューの状態をチェックするなどの通常メンテナンスをおこなってくれる販売店から購入しないと、後々、困ったことになる。というのは、このような無料の通常メンテナンスを通してのみ、そのキューのコンディションが維持できるからである。つまり、定期的にキューの状態をチェックすることで、キューをよりよい状態に維持でき、そのことにより、キューをよりよい状態で長く使用することが可能となるからである。

 ところが、残念なことに、このような定期的で無料のキュー状態チェックをしてくれる販売店は数少ない。たいていの販売店はキューを販売するのみで、その後のメンテナンスはおこなってくれず、いわば、「売りっぱなし」の状態である。というのは、ほとんどの販売店がメンテナンスの技術もなければ、メンテナンスに使う旋盤などの機械類を持っていないのが実情だからである。このように「売りっぱなし」の販売店から購入すると、その後のキューのメンテナンスなど様々な局面で困ったことになる。この点は日本では意外と見過ごされている点なので注意したい。

 そして、ビンテージキューといわれる分野のキューなどを購入する際には、一層の注意が必要だ。「故George Balabushkaの製作したキューだ」、「故Gus Szambotiの製作したキューだ」というだけで価値があるわけではない。同じメーカーのキューの中で比較的古い時代に製作されたキューだから価値があるわけでもない。最も、問題となるのは、そのキューのコンディション(状態)である。バットやシャフトはオリジナルのコンディションのままか(バットの塗装はオリジナルの塗装か、シャフトはオリジナルのシャフトかなどなど)、シャフトやバットに曲がりはないか、新品か中古か、デザイン的な価値はあるか、そもそも本物か、などなどチェックすべき項目は多数ある。それらを見抜くには、まさに、個々人が真贋を見抜く目を養うことが必要となる。真贋を見抜く目なくして、これらのビンテージキューを購入しようとするのは無謀ともいえる。絵画、焼物、書などの分野では贋作も多く出回っている。キューもこれらのものと同じ意味合いがある以上、「真贋を見抜く目」はますます必要となってくる。そして、これを担保する意味からも、やはり、信頼のおける販売店で購入することが「安心」ということになる。

ビリヤードの上達方法について。
 さて、どんなキューにしろ、マイキューを購入したら、後は、腕前の上達あるのみである。上達には練習が必要である。しかし、練習は必要だが、やみくもに練習ばかりしていても遠回りになってしまうこともある。では、遠回りにならないためにはどうすればいいのか。そのためには練習の指針が必要である。

 最近では、日本でもビリヤードの教本のようなものが販売されている。この中には、本場アメリカの教本を翻訳したものもある。しかし、その多くは、全訳というよりは、部分訳してまとめてあるものが多い。これらの訳本も有益であるが、どうせなら、そう難しい英語表現がされているわけではないので、本場アメリカの教本の原本を読んでみてはどうか。かなり、プレイの参考になるはずである。本場アメリカの教本は図解も豊富で眺めているだけでもプレイの参考になる。本場アメリカの教本は数多く出版されているので、入手できるものはどんどん入手して読んでみるといい。

 また、本場アメリカのトーナメントビデオ(VHS&DVD)は、色々なプロプレイヤーの技を学ぶのに適している。ご存知の通り、往年の名プレイヤーや現役のトッププレイヤーが異口同音にいうように、「数多くのトッププレイヤーのプレイをより多く見るとことが上達への近道」である。トーナメントビデオなど出回っていない時代には、Mike Sigel、Nike Varner、Earl Stricklandを始め、数多くのプレイヤーが、自分の腕を磨く過程で、「あの町に腕のいいプレイヤーがいる」という噂を聞くと、必ず、遠方までも足を運び、そのプレイヤーのプレイを見て技を盗んだという。しかし、幸運にも、現在は、本場アメリカのトーナメントビデオが手軽に入手できる。これらのトーナメントビデオでは、様々なタイプのプロプレイヤーのプレイが見られる。そのプレイヤーの日本での知名度が高いか低いかは別として、アメリカで活躍している世界各国のプロプレイヤーの中には、腕のいいプレイヤーが数多くいる。それらのプロプレイヤーのプレイを見れば、参考になる点は多いはずである。また、試合内容を編集して放送するテレビ放送とは異なり、その試合内容の全てを収録しているトーナメントビデオは、試合全体の流れや駆け引きがよりよく分かり、その点でも参考になる点は多いはずである。

 さて、上達の過程ではどうしても壁にぶつかるものである。壁にぶつかった際に、もうワンランク上のキューを購入してプレイすることで、その壁を乗り越えた人も多いと聞く。このことは経験則上からいうと正しい選択肢の一つのようである。自分が本当に気に入って納得した新しいキューを手にすることで、プレイにも練習にも集中できるし(モチベーションが上がる)、そのようなキューを使うことで、例え、プレイ中にミスをしても、そのミスを「キューのせい」にはできず、謙虚にそのミスを受け止めて、更なる上達に繋げられるからであろう。

キューとタップについて。
 マイキューを手にしたら、次に、頻繁に購入することになるものは「Tip」であろう。「Tip」は日本では「タップ」と発音されているようである。ご存知の通り、タップも多くのメーカーから多くの種類のものが出回っている。例えば、一枚革タイプ、積層タイプ(薄い革の貼り合わせタイプ)、柔らかいタイプ、硬いタイプなどなど。タップについても、個々人が好みのタップを使用すれば、それでいいであろう。タップも、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、その選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。

 一般的には、硬いキューには柔らかいタップ、柔らかいキューには硬いタップという組み合わせが無難であるといわれるが、個々人の好みによって、硬いキューに硬いタップ、柔らかいキューに柔らかいタップという組み合わせでも問題ない。

 ただ、海外のプロプレイヤーの中には、「比較的しっかりした打感で、かつ、薄めにした状態のタップ」を好む人が多い。このような状態のタップが、「最も、スピンが効く」と彼らが感じているからである。これに対して、日本のアマチュアプレイヤーは、柔らかい打感を好む人が多く、そのため、柔らかいタップを好む人が多い。

 さて、積層タイプ(薄い革の貼り合わせタイプ)のタップが出回り始めたのは、実は、ビリヤードの歴史の中では、ごくごく最近のことである。これは、近年、一枚革タイプのタップの原材料となる「上質で厚手の革」が入手困難になってきたことに由来する。そのため、比較的、入手しやすい薄手の革を何枚も貼り合わせたタイプのタップが登場した。といっても、全く、一枚革タイプのタップが製作されなくなったわけではなく、昔に比べると、上質の一枚革タイプのタップがかなり少なくなったということである。ご存知のように、一枚革タイプのタップにつていは、同じブランド名のタップであれば、古いタップの方が上質で、その使用感も優れているものが圧倒的に多い。販売店の中には、こっそり、30年以上前に製作された一枚革タイプのタップを所有しているところもあるので、どうしても使用してみたい人は、探し当てて譲ってもらうのもいいだろう。また、何とか「上質で厚手の革」を入手して、上質な一枚革タイプのタップを世に送り出そうと努力しているメーカーもあるようなので、今後の成果に期待したい。

最後に。
 「最後に。」といったところで、これで全てを論じきったわけではないので、今後も、加筆、修正など加えていくつもりであるが、当面の「まとめ」を述べたい。

 既に、何度も繰り返し述べてきたことであるが、個々人によってキューに求めるものは千差万別である。キューは、ビリヤードというスポーツ、かつ、趣味の道具である以上、その選び方も個々人の勝手な趣味趣向で決めて何ら差し支えない。高価なキューであろうが安価なキューであろうが、自分のプレイのレベルが高かろうが低かろうが、その他の諸条件などは、一切、気にせず、自分の目でそのキューの現物を実際に見て確認し、自分なりの評価をし、最終的に気に入ったキューを購入すればいい。

 キューも様々で、「マスプロダクションキュー(量産キュー)」、「カスタム量産キュー」、「リアルカスタムキュー(真のカスタムキュー)」などに分類される。どの分類に属するキューでも一本一本その仕上がりや木目の表情などが異なり、その詳細は現物を見て初めて分かるもので、現物を見なくては分からないというのが実情である。だから、個々人にとって、よりよいキューを選ぶためには、自分の目でそのキューの現物を実際に見て確認し、自分なりの評価をし、最終的に気に入ったキューを購入するということが最も大切なのである。

 キューの現物を実際に見て回ることに億劫(おっくう)になってはいけない。数多くのキューの現物を実際に見ることでキューを見抜く目が養われるのであるから。どの分野においても、本物や仕上がりのいい物を数多く見ることで、その分野の本物を見抜く目が養われ、そうなって始めてその分野に造詣が深くなれるのである。

以上

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